2025年08月23日

梅のことがすこし好きになった日


前日わたしが用意した「プレミアム桔梗信玄餅吟造り」を手土産に、
友人のお宅訪問に出かけていったはずの父が、
どうしてか桔梗屋の手さげ袋を携えたまま帰ってきました。

約束がなくなったのかとたずねると、予定通りあったのだと。
持っていくのを忘れたのかとたずねると、いや確かに渡したのだと。

なんでも手土産を差し出すやいなや、友人に驚かれたそうで。
「僕も休みの日に工場見学に行ってきましてね」
お土産を買ってきていたんですよ、と奥の部屋から取ってきたのは同じ手さげ袋。
まさかの桔梗屋被りです。
まあ山梨の菓子折りといえばそうなっちゃうよねと、
父は苦笑いしながら、しかし心なしか誇らしげに話してくれました。

開封してくれて構わないよと言われ、
見ると「水琴茶堂の梅くずきり」が入っていました。
「くずきり」というものを人生でまだ食べたことがなく、
せっかくなので味見させてもらうことにしました。

じつは苦手な食べもののうちに入っている、梅。
大人になってから
梅酒が飲めるようになり、
刻んだ梅を使った料理なら食べられるようにもなったので、
おそるおそる口に運んでみたのですが。

梅の蜜が爽やかで、おそろしいほどにどんどん食べ進めてしまいました。
くずきりを日の光に透かせばきらきらと、まるで夏が揺れているみたいです。
別添えの黒蜜をかけるとまろやかでコク深い味わいとなり、二度楽しむことができました。

思い出したときにくすっとする、父との味になりました。

おさだ